食品添加物の重曹って?掃除用と何が違うの?

食品添加物としての「重曹」。
掃除や消臭に使うイメージがあるため、「口にしても大丈夫?」と気になる方も多いのではないでしょうか。

実は、重曹は昔から料理でも活躍している身近な存在です。
本記事では、重曹の基本知識や安全性、食用と掃除用の違い、表示ルールまでわかりやすく解説していきます。

食品添加物の重曹とは

重曹とは炭酸水素ナトリウムというアルカリ性の白い粉末で、炭酸水素ナトリウムのこと。
ベーキングソーダとも呼ばれ、お菓子作りや掃除などで昔から家庭で親しまれています 。

工業的には、アンモニア・ソーダ法による炭酸ナトリウム製造の中間体として得られるのです。

食用と掃除用の違い

重曹には食品用(食用)と掃除用の2種類が市販されています。
両者の違いは精製の純度や管理基準です。

食用重曹は食品衛生法に基づき製造された高純度の食品添加物で、口に入れても安全なように衛生・品質管理が徹底されています 。
一方、掃除用重曹は工業的に製造されたもので、不純物が含まれていたり他の添加物が含まれたりしており、食品向けの基準を満たしていない場合も。

そのため、掃除用を食べるのは避け、料理には必ず「食用」と表示された重曹を使いましょう。

食品添加物としての重曹の役割

食品添加物の重曹がもつ主な役割は、以下のとおりです。

重曹は食品添加物として、料理の中でさまざまな役割を果たします。

最も身近なのはベーキングパウダーの主成分として生地を膨らませる働きです。
重曹を加熱したり酸と反応させたりすると二酸化炭素の気体が発生し、その泡でケーキやパンケーキをふっくらさせてくれます 。

また重曹は弱アルカリ性のため、野菜の下ゆでに使うと苦味成分(アク)を和らげたり、食品の酸味を中和してまろやかにするpH調整剤としても利用。

料理のワンポイントでも、黒豆を煮る際に重曹と塩を少し入れると、やわらかくふっくらとした仕上がりになるのです。

食品添加物の重曹は安全?

重曹(炭酸水素ナトリウム)は古くから食品に利用され、その安全性は厚生労働省など公的機関で確認されています。

食品添加物として指定される際にも専門機関による科学的な安全性評価が行われており、FAO/WHOの合同専門家委員会(JECFA)においては一日あたりの許容摂取量(ADI)が「とくに制限なし」と評価されるほど安全な物質です。

こうした根拠から、通常の使用量であれば健康への悪影響を心配する必要はありませんので、安心して利用できます。

食品添加物の重曹の食品表示のルール

食品に重曹が使われている場合、パッケージの原材料名欄に以下のように表示されます。

通常は添加物の物質名である「炭酸水素ナトリウム」と記載されますが、ホットケーキなど他の膨らませる成分と併用されているときは「膨張剤」と一括表示される場合も。

重曹が含まれているか気になるときは、原材料表示にこれらの名称がないか確認してみましょう。

食品添加物の重曹でよくある質問

食品表示で重曹はどのように表示しますか?

通常は以下のように表示されます。

重曹は安全ですか?

食品用の重曹なら適量を料理に使う分には問題ありません。厚生労働省の審査を経て安全と認められており、お菓子作りなどで使う少量では健康への悪影響はないと考えられています。

重曹は体にいいですか?

重曹は世界各国で食品添加物として認められており、公的機関による科学的評価でも安全性が確認されています。
ただし大量摂取すればナトリウム過多になるリスクがあるため、普通の料理やお菓子作り程度の使用に留めることが大切です。

料理に重曹を使うとどんな効果があるの?

お菓子の生地に加えれば、ふくらし粉として生地をふんわり膨らませられます。
煮物の下ゆでに少し入れると野菜のアクが和らぎ、やわらかい仕上がりに。

食品添加物の重曹について正しく理解して生活に役立てよう!

重曹は食用から掃除用まで活用範囲が広く、食品添加物としての安全性も公的機関に認められています。

用途ごとに純度や表示が違うため、購入時は「食品用」かどうかを要確認。
正しい知識があれば、安心して家族の食卓に取り入れられるでしょう。

重曹の上手な使い方をマスターすれば、料理の幅もグッと広がります。