子どもたちに大人気!『ちぎってロール(ハーフベイク)』を作る株式会社ブレナに行ってみた!

トースターで焼くと、表面はカリっと中はふわっふわな焼きたてパンが味わえる、アイチョイスで大人気の『ちぎってロール(ハーフベイク)』。
ちぎる?ハーフベイク?と興味をそそられて購入した方も多いのではないでしょうか。

今回は、おうちで焼き立てパンが食べられるハーフベイク商品を多数生み出すブレナへ行き材料のこだわりや、ちぎってロールの誕生秘話などをインタビューしました!

株式会社ブレナって?

ブレナは、パンの製造販売を行う会社。
「ブレナ」という社名は、ナチュラル・ブレッドをひねったものだそうです。
その名の通り、イーストフードなどの添加物は入れず、自然由来の材料のみでパンを製造しています。

パンの他にはエクレアなどのデザートや、クッキーなどの焼き菓子も製造。
機内食で出される有名ホテル監修のデザートを数多く手がけたため、デザート作りにおいても高い技術を持っているんですよ。
現在も専属のパティシエと共にデザートを開発しています。

工場の衛生面にも配慮しており、国際標準化機構ISO)が策定した「食品安全に関するマネジメントシステム規格ISO22000」の認証を取得。
さらに厳しい基準であるFSSC 22000も取得予定なんだとか。

『ちぎってロール(ハーフベイク)』って?

自宅で焼きたてが楽しめる、ハーフベイクのちぎりパン

『ちぎってロール(ハーフベイク)』は、その名の通り半分生の状態で届くロールパン。
トースターで焼き上げることで、自宅で焼き立てのパンが味わえる大人気の商品です。

ブレナ、そしてアイチョイス商品部の「もっとおいしく食べてほしい!」という想いにより2024年12月4回から『ちぎってロール』の原材料の一部を見直しました。

外側はカリっと、中はふんわりとした食感をより味わえるようになっています。
油脂にはバターを使用し、今まで以上にコクと風味を感じられるように◎
砂糖の比率を少し増やし、甘味もアップしました。

他の『ちぎってロール』シリーズも順次変更予定なので、お楽しみに♪

地産地消!2024年3月から愛知県産小麦を使用

ブレナでは、20年以上前から愛知県産小麦「農林61号」を食パン用に使用していました。
ちぎってロールは、2024年3月から愛知県産小麦「ゆめあかり」を使用(北海道産小麦「ゆめちから・きたほなみ」をブレンド)。

地産地消は環境への負荷を軽減でき、地域の活性化にもつながります。

ただ愛知県産小麦は、グルテンの含有量が少なく、生地がやわらかくなりやすいため、生地が機械にくっついてしまい、扱いにくいのが難点。

ブレナでは、その日の湿度に合わせて水分量を調整することで、生地のやわらかさも調整しています。

株式会社ブレナのパン工場に行ってみた!

愛知県知多市にある、ブレナの製造現場に突撃!
株式会社ブレナの代表取締役 桐山さんに案内していただきました。

ちぎってロールのおいしさの秘密、それは「醗酵」と「熟成」だったのです。

株式会社ブレナ
代表取締役 桐山さん

 パン屋を営むご家庭に生まれた桐山さん。

パンとは異なる人生を歩むつもりが、ホテルレストランのアルバイトで、パンの仕込みを任されたことをきっかけにパンの世界へ。

現在は国産小麦を使ったパン作りに尽力されています。

最難関!レーズンを使った自家培養酵母種作り?!

ブレナのパン作りは、「自家培養醗酵種」を作るための独自の「スターター(※)」作りからスタート!

まず、レーズンに砂糖やお湯などの材料を混ぜてスターターを作ります。
スターターは1週間かけて製造するのですが、桐山さん曰くこの工程が一番難しいんだそう。

次に、水・小麦粉とスターターを混ぜ、2~3日かけて醗酵させて自家培養醗酵種を作ります。 

自家培養に使用する醗酵種用の培養タンクは、フランスから輸入するほど超本格製法です。 

※発酵を働きかけるもの

フランスの伝統製法!長時間醗酵・熟成でうまみ成分UP

ブレナのパン生地は、基本的に中種方式という製法で、じっくり時間をかけて、醗酵・熟成させます。 
醗酵・熟成に使う原材料は、小麦+水+海洋酵母のみ。 

この醗酵時間はなんと12~16時間です! 
長時間醗酵・熟成させることで、生地の中のデンプンが水分をたっぷり吸収し、ふわふわ・モチモチのパンに。 

「海洋酵母」は海から採れた天然酵母のことで、酸味が出にくく発酵臭も弱いので、長時間醗酵・熟成にピッタリなんです。 
また、時間をかけて醗酵させることで生地が熟成し、アミノ酸などのうまみ成分も増加。 

その後、醗酵・熟成が完了した中種に自家培養醗酵種、海洋酵母、塩、砂糖などそのほかの材料を加えて本ごねを行い、パン生地が出来上がります。

完成!おうちで焼き立てパンが楽しめます!

出来上がったパン生地は、こねて、休めてを繰り返し、生地にストレスと休息を交互に与えることでさらにモチモチの生地にしていきます。

その後、生地を丸めていきますが、詳細は企業秘密!

丸く成型された生地はキレイに並べられ、焼き上げていきます。
ブレナで採用している焼き窯は、回転式。
焼き窯の中をぐるぐると回ることで、焦げることなく均等に焼くことができます。

ハーフベイクなので、完全には焼き上げません。
冷めても萎まない程度には焼く必要があるので、タイミングを見計らうのがとても難しいんだそう。

熱が取れたちぎってロールは梱包されて、私たちのもとに届けられます。

『ちぎってロール(ハーフベイク)』誕生秘話

おいしく食べられるカタチ|ハーフベイク

桐山さんは常に思っていることがあります。
「トースターで焼いて、一番おいしい状態でパンを食べてほしい。」
電子レンジで温めて食べる人、温めもしないでそのまま食べる人に、どうしたら焼いて食べてもらえるのかを考えました。

思いついたのが、焼かないと食べられないパンにすること。
自宅で焼いたら完成する「ハーフベイク」の誕生です。

輸送コストを考えたカタチ|平たいシート型

道の駅でパン屋を営む知人から「会員制倉庫型店で売っている大袋に入ったロールパンを作ってくれないか」と頼まれた桐山さん。

元々、ホテルで出されるきれいな形のパンを製造していた桐山さんは、そのロールパンを見た時、「消費者は、ホテルで出されるパンのようなキレイな形のパンを求めているわけではない」ことに衝撃を受けたそうです。

ロールパンを製造し始めた当初は、会員制倉庫型店のロールパンのように1袋にロールパンを36個入れていました。
しかし、かさばって輸送コストがかかってしまう問題に直面。

解決策として考えたのが、パンをくっつけたまま並べて、平たくして包装する方法でした。
キレイに詰めて運ぶことで、一回で運べる量を多くしたのです。

偶然から生まれたカタチ|くっついたままのパン

くっついたままのパンが納品される道の駅のパン屋では、開店前に一つひとつちぎって袋詰めし直して販売していました。

ある日、時間がなくてくっついたままのロールパンをそのまま店頭に出したんだそう。
それでもお客さんは、黙ってそのまま買ってくれるではありませんか。

桐山さんは「品質と価格に納得できれば、多少の手間は惜しまずやってもらえる」ことに気づいたのです。

こうして、くっついたままのロールパンを販売するようになりました。
『ちぎってロール(ハーフベイク)』の完成です!

桐山さんに聞いてみた!

おいしい食べ方は?

すーさん

『ちぎってロール』のおいしい食べ方を教えてください。

『ちぎってロール』は、ジャムなどの甘いものにも合うし、ハムやマヨネーズといったしょっぱいものにも合うように作っています。

どのような食べ方でもおいしくいただけますよ。

くっついた状態の『ちぎってロール』を大きなバットに入れて、シチューをかけて、それぞれ好きなだけ取って食べられるようにしたという話を聞きました。

そういう楽しみ方もあるんだなと思いましたね。

桐山さん

印象に残っている商品は?

すーさん

アイチョイスと共同開発した商品で印象に残っている商品はありますか?

野菜入りのパンを作りました。

野菜嫌いの子どもでも食べやすいように野菜の味を消そうと試みましたが、お母さんたちから「野菜の味を消さないでほしい」との意見をもらったことが。

この意見は、『ちぎってロール』のほうれん草味やにんじん味などに活きています。

桐山さん

組合員さんへメッセージ

すーさん

組合員さんへメッセージをお願いします。

私たちは今、愛知県産の小麦「ゆめあかり」と「きぬあかり」を使ってパンを作っています。

地産地消を目標に頑張っておりますので、ぜひご賞味いただきたいです。

桐山さん

組合員さんの声から生まれた商品も。現在50種類が発売中!

ちぎってロールの他に『麦のかおり』や『チョコクロワッサン』などさまざまな種類のパンを製造しているブレナ。

桐山さんのイチオシは、「ホワイトソースに合う!」と絶賛の『パン・ド・ミ』『ロデヴ』だそう。
夜ご飯がシチューの時には欠かせないそうです。

私は小腹が空いた時に『シナモンバタースティック』をカリカリに焼いて食べるのにハマっています。

今回、インタビューしていて印象に残ったことは、意見や実状を柔軟に取り入れて、パンを進化させていくこと。
『ちぎってロール』や、無塩せきフランクフルトを使用した『フランクピザドッグ』は、まさにそうして生まれたパンですよね。

現在50種類ものパンをアイチョイスで取り扱っています。
2024年には組合員さんの声にお応えして、『ちぎってロール』の原材料をリニューアルしました。

今後も私たち消費者の意見に耳を傾け、魅力的な商品を作り続けてくれることでしょう。
ブレナの商品に乞うご期待!

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編集担当すーさん

2024年アイチョイスに入協。愛犬をこよなく愛する30代。
アイチョイスでは、気になる冷凍食品をついついたくさん注文してしまうので、冷凍庫が常にパンパン!
冷凍庫のスペースを空けるために毎週必死です。
ナッツはチョコレートに包まれたピーカンナッツが好き。