投稿日2025.7.4
天然の食品添加物とは?知っておきたいリスクと正しい選び方
「食品添加物は危険?」と不安に思う方も多いでしょう。
しかし実は、昆布や果物など自然由来の天然添加物も存在します。
本記事では、食品添加物の分類やメリットやデメリットをわかりやすく解説。
安心して選ぶためのポイントもご紹介します。
目次
天然の食品添加物とは

「食品添加物は体に悪そう・・・」と感じたことはありませんか?
じつは、食品添加物といっても植物や動物由来の成分を活用したものがあり、化学合成品だけが食品添加物というわけではありません。
日本の食品衛生法では、天然かどうかに関わらず安全性をしっかりと確認しています。
しかし、2024年から食品添加物の不使用表示に関するガイドラインが適用されました。
食品表示基準において、天然・人工等の用語を使用した表示を禁止。
「天然」やそれに類する表現の使用が認められなくなりました。
本記事ではわかりやすさを重視して「天然」「化学」などの表現を用い、食品添加物について解説します。
参考:食品添加物の不使用表示に関するガイドライン|消費者庁,(参照2025-07-04)
そもそも食品添加物とは
食品添加物とは、保存料、甘味料、着色料、香料など、食品の製造過程または食品の加工・保存の目的で使用されるものです。
たとえば、インスタント食品やお菓子のラベルには「調味料(アミノ酸)」「着色料」などが記載。
食品添加物と聞くと「体に悪いイメージ」が先行しがちですが、日本では食品衛生法に基づき、厳しい審査や安全試験を通過したものだけが認められています。
参考:食品添加物の安全確保|厚生労働省,(参照2025-07-04)
天然の食品添加物と合成添加物の違い
昆布やかつお節など自然素材から得られる自然由来のものを天然の食品添加物、化学的に合成された食品添加物を「合成添加物」と表現していました。
ただし「天然=絶対安全」「合成=危険」というわけではありません。
食品衛生法による規定があり、人体への影響をチェックする仕組みが整っているからです。
なお、「天然」「合成」の表示は誤解を招きやすいため、現在はガイドラインによって規制されています。
食品添加物の分類について

食品添加物は大きく分けて「指定添加物」「既存添加物」「天然香料」「一般飲食物添加物」の4つに分類。
これらは厚生労働省の管理のもと、厳格な安全性評価を受けています。
指定添加物には新たに安全性が確認された物質が含まれ、既存添加物は古くから使用実績のあるものが中心になっています。
天然香料や一般飲食物添加物は、自然由来であっても摂取量を守ることが大切です。
指定添加物

指定添加物は、内閣総理大臣の指定を受けたもので、合成品・天然品を問わず安全性と有用性を認められた物質が該当。
たとえば調味料や保存料などが代表的で、それぞれ設定された基準を守って利用されているのです。
世界保健機関(WHO)や各国の研究機関とも連携し、過度なリスクがないか確認しながらリストの見直しや改正しています。
定期的な再評価により、流通する添加物の安全を確保しているのです。
既存添加物

既存添加物は、日本で古くから使われてきた天然成分が中心です。
たとえば漬物や和菓子に用いられてきた植物由来のソルビン酸カリウムなどの保存料が挙げられます。
「長年食べられてきたから安心」というイメージもありますが、国では追加データの収集や検査を実施し、必要に応じて安全対策を強化する体制を整備。
古くからの実績だけに頼らず、現代の科学的視点でも検証することで、より確実な安全性を保っているのです。
天然香料

天然香料は、植物の葉や花、動物由来の成分など、自然界から抽出した香り成分を使った食品添加物です。
合成香料よりも自然な香りが特徴ですが、アレルギーを引き起こす可能性がある点には留意が必要。
たとえば柑橘類の皮から抽出された成分は、光毒性作用を持つため、肌についたまま日光に当たると、皮膚トラブルが起こるケースもあります。
香りを強化したいときに重宝されますが、人によっては刺激が強い場合もあり、表示を確認して安全を意識することが大切です。
参考:精油中のフロクマリン類分析|沢村正義,鈴木悟,小原典子,佐藤美夢,東谷望史,(参照2025-07-04)
一般飲食物添加物

一般飲食物添加物は、私たちが日常的に食べているものを、そのまま食品添加物として利用する場合を指します。
レモン果汁や寒天、ココアパウダーなどが代表例で、目的に合わせて加工食品に使われることが多いです。
「いつも食卓にある素材だから安心」と感じがちですが、大量に使えば身体に負担がかかる可能性は否定できません。
あくまで適量を守りつつ、食品表示でどのように使われているかを確認すると安心です。
天然の食品添加物のメリットとデメリット

天然由来の食品添加物は、素材本来の風味や色合いを活かしやすく、自然志向の方に支持されています。
一方で、供給の安定性やコスト面、そして過度な信頼に対するリスクなど、いくつかのデメリットも存在。
「天然だから無条件で安全」と考えるのは危険で、実際には抽出や加工の段階で化学的な処理が入る場合もあります。
メリットとデメリットを知り、正しく選ぶことが重要です。
天然の食品添加物のメリット
天然の食品添加物を使うことで、強めの風味ではなく、素材が持つやさしい味わいを活かしやすくなります。
歴史がある素材も多いため、消費者にとって安心感を得やすいのも利点といえるでしょう。
また、人工的な成分に抵抗がある方でも選びやすいため、健康志向や子どもの安全を気にするご家庭にも好まれています。
自然の恵みを上手に取り入れることで、料理の幅が広がるのも嬉しいポイントです。
天然の食品添加物のデメリット
天然由来の成分は、産地や季節によって品質がばらつくことがあります。
コストが高くなりやすいのも懸念点です。
さらに、自然由来であっても人によってはアレルギー症状を引き起こす場合があり、過信は禁物。
たとえば、エンジムシから得られるコチニール色素は天然由来ですが、コチニール色素を含む食品の摂取によるかゆみや蕁麻疹などの報告があります。
「天然」と聞くと良いイメージばかりが先行しがちですが、物質によっては摂りすぎると健康を害する可能性もあるため、表示を確認しながら上手に利用することが大切です。
参考:コチニール色素に関する注意喚起|消費者庁,(参照2025-07-04)
天然の食品添加物の体への影響は?

「天然なら体に悪くない」と思いがちですが、塩や砂糖も天然物質であり、摂りすぎれば病気の原因になることがあります。
食品添加物も同様で、使用量や摂取バランスが大切です。
日本では食品衛生法に基づき、許可される食品添加物の種類や使用基準が定められ、危険性が疑われる成分は認可されていません。
過剰に怖がる必要はありませんが、摂りすぎに注意しながら、賢く選ぶことが大切です。
天然の食品添加物についてのよくある質問

食品添加物とは天然の物質ですか?

食べてはいけない食品ワースト3は?
「これを食べると危険!」といったワーストリストを見かけることがありますが、厚生労働省や食品安全委員会が公式に「ワースト」を発表しているわけではありません。
摂取量や個人の体質によってリスクは異なるため、一概にランキングにすることはできないのです。
大切なのは、日頃からバランスの良い食生活を心がけ、過度な摂取を避けること。表示や成分表をチェックしながら、適切に取り入れましょう。

天然由来添加物とは何ですか?
天然由来添加物とは、植物や動物など自然界から得られる素材を加工・抽出して作られる添加物のことです。
しかし、2024年に策定された食品添加物の不使用表示に関するガイドラインで、「天然」「人工」等の表現は規制されています。

天然の食品添加物について正しい知識を持とう

食品添加物が含まれる食品を選ぶ際に大切なのは「摂りすぎないこと」。
不必要な食品添加物を避け、使用する場合も天然由来のものを優先するという考え方で商品を選ぶことが大切です。
アイチョイスでは天然由来の着色料を使用するなど、素材本来の味わいを大切にした商品づくりを追求しています。
気になる方は、まず「おためしボックス」で実際にお試しください。
天然由来ではない食品添加物もあります。
たとえばビタミンCには、果実から抽出したものと合成したものがあり、最終的な働きは同じというケースも多いです。
いずれの場合も、人体への悪影響がないかは厳しい安全試験を経て確認されています。