食品添加物のステビアは体に悪いの?メリットデメリットや注意点と適切性とは

ステビアは植物由来の甘味料として広く活用されており、糖質やカロリーを控えたい方にとって注目の食品添加物です。

本記事では、ステビアの基本的な特徴から、食品添加物としての利点・欠点、使用時の注意点や適切な使い方までをわかりやすく解説します。

初めてステビアに触れる方にも理解しやすいよう、基礎知識を段階的にご紹介しますね。

ステビアとは、元は南米原産のキク科植物の名前です。
そのステビアの葉に含まれるステビオール配糖体が強い甘味をもたらします。

甘味度は砂糖の主成分であるショ糖の約200倍とも言われ、ごく少量で十分な甘味を得られる一方、カロリーはほとんどありません。  

ステビアは日本において「既存添加物」として登録されています。
既存添加物とは、長い使用実績があり安全性が確認されている食品添加物のことです。
食品添加物の分類については、以下の記事で解説しているので参考にしてください。

ステビアの特徴と主成分

ステビアが持つ甘味の正体は、ステビオール配糖体という成分。
この配糖体は砂糖と比べて圧倒的な甘味があり、数百倍もの甘さを持っています。  
ステビアの葉を乾燥・抽出してつくられるので、植物由来の甘味料として人気を集めているのです。

ステビオール配糖体は、ステビオール配当糖体4種(ステビオシド、レバウジオシドA、レバウジオシドC、ズルコシドA)の合計量として80.0%以上を含み、かつ、ステビオール配糖体9種(ステビオシド、レバウジオシドA、レバウジオシドC、ズルコシドA、レバウジオシドB、ルブソシド、ステビオールビオシド、レバウジオシドD、レバウジオシドF)の合計量として95.0%以上を含むと定義されています。

これらのステビオール配糖体に含まれる成分は、それぞれ甘味度や後味が異なり、調整・精製することで、クセの少ない甘みに仕上げられるのです。

ステビアの役割や用途

ステビアは、砂糖の代替甘味料として多彩な食品に利用されています。
具体的には、清涼飲料水、ダイエット食品、お菓子、甘酢漬け、氷菓などの幅広い分野で使われるほか、家庭用の甘味料としても普及しています。

少量で強い甘味が得られるため、糖質やカロリーを抑制したい食品の開発に重宝されているのです。

また、熱に強いことから、加熱調理やベーキングにもよく活用されます。
たとえば焼き菓子やジャムなど、砂糖を使うレシピで代替品として利用しても甘さが失われにくいのが特長です。

また、その他の甘味料については以下の記事で解説しています。

ステビアの製造工程

ステビアの製造方法を解説します。
まず植物からステビオール配糖体を抽出するため、葉を乾燥させてお湯や溶剤で有効成分を取り出すのが一般的です。
その後、ろ過や分離を行いながら不純物を取り除き、さらに高純度化を進めます。

精製過程では、ステビオール配糖体の構成比率を調整することも。

例えば、ステビオール配糖体に含まれるステビオサイドは苦味や渋みが強いため、より味のよいレバウジオシドAの含有量を増やすことで風味を改善しています。  
こうした調整には、メーカー独自の特許技術が用いられることもあるのです。

製造方法は各国の規制や基準が異なるため、適切な管理が求められます。

食品添加物のステビアはアメリカで禁止されている?

ステビアはかつてアメリカで、十分な安全性を示す証拠が揃っていないことを理由に、食品添加物としての使用が一時規制されていました。 
しかし、その後の研究で適切性が認められ、現在では、高純度のステビオール配糖体については、一般的に安全と認められるGRAS認証を受けています。  

一時的な禁止や制限から世界的に認められるようになった背景には、国際機関や各国の規制当局がステビアの適切性データを再評価したことが大きいと言えます。
日本や欧州でも同様の審査を経て、一定条件下での使用が承認されているのです。

その結果、現在ステビア甘味料は、日本、中国、韓国、シンガポール、タイ、ブラジル、カナダなど多くの国で使用が許可されています。
ただし、ステビオール配糖体の成分基準が各国ごとに決められていたり、スイスではステビア葉をそのまま商品に使うケースはNGだったりと、ルールが異なるので注意が必要です。

その他、海外の食品添加物事情については以下の記事で解説しているので参考にしてください。

食品添加物のステビアのメリット5つ

ステビアを使用することで得られる、代表的な5つのメリットをご紹介します。  

少量で甘さを得られる

ステビアの甘味度は砂糖の数百倍とも言われ、極めて高いのが特徴です。
少量の使用でも十分な甘さを感じるため、全体的なカロリーや糖質を大幅に抑えられます。

また、甘味を引き出すうえでの安定性も高く、他の食材と合わせても味の調整がしやすいこともメリットです。
同時に材料費の削減にもつながる場合があり、コスト意識の高い食品メーカーにも注目されています。

自分で料理をする際も、ほんの少しのステビアを加えるだけで甘味が出るため、砂糖を使うよりも手軽にカロリーオフを実現できます。

カロリーや糖質を抑えられる

ステビアはカロリーフリーとされるため、砂糖の代替として用いれば食事全体のカロリーを抑制できます。
ダイエットや糖質制限をしている方にとって、甘さを楽しみながら目標に近づけるのは大きな利点です。

ただし、全ての甘味をステビアだけに頼ると味の好みに個人差が出たりするため、ほかの甘味料や砂糖などと併用することが望ましい場合もあります。

結果的に、砂糖を減らすことで生活習慣病予防に役立つことも。
ただし、特定の品目を過剰に摂取すると体に負担がかかることもあるため、適切な使用量を守ることが大切です。

血糖値の上昇が緩やか

ステビア由来の甘味料は、食事にエネルギーをほとんど与えません。
また、一般的には血糖値を上昇させません。

ただ、個人差があるため、実際に使用する際は血糖値の推移を観察しながら適度な量を守ることが推奨されます。

参照:食品安全関係情報詳細,(参照2025-09-26)

虫歯の原因になりにくい

一般的に、砂糖は口内の菌によって酸を生成し、それがエナメル質を溶かして虫歯を引き起こす原因になります。
一方、ステビアでは虫歯の原因菌に対して砂糖ほどの栄養源にはならないため、虫歯リスクが低いと考えられています。
そのため、歯科医の間でも甘味料の選択肢としてステビアが注目を集めています。

とくに、子どもや高齢者の歯の維持においては大きなメリットと言えます。
もちろん、ステビアを使ったからといって歯磨きを怠れば虫歯リスクは残りますので、あくまで適度なケアとの組み合わせが重要です。

食品加工時の利点がある

ステビアは熱に強く、加熱調理や加工の過程でも甘味が損なわれにくいという利点があります。
これは、焼き菓子のようにオーブンを使う調理法でも甘味をキープしたい場合に大変便利です。

また、酸にも比較的強いとされており、フルーツソースやドレッシングなどpHが低い調味料への利用にも適しています。
こうした特性により、さまざまな食品にステビアを応用しやすくなっています。

さらに、ステビアは砂糖に比べて吸湿性が低いため、保存性が求められる加工食品でも役立つことがあります。
使い方次第で多彩なレシピへ応用可能な甘味料と言えるでしょう。

食品添加物のステビアのデメリット3つ

一方で、ステビアのデメリットについても代表的な3つをご紹介します。  

人工甘味料、健康面での恩恵は認められないとの見解も

ステビアを含む人工甘味料について、フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)は2015年に、人工甘味料は栄養上の利点がないことを報告しています。

ANSESの調査によると、体重調整、糖尿病患者の血糖値、2型糖尿病の罹患率に対し、人工甘味料は全く効果を示さず、また甘みへの習慣性、がんや糖尿病のリスクの上昇との関連性も確認されませんでした。

また、WHOの報告でも短期的にはエネルギー制限との組み合わせにより体重減少の可能性があることを示唆しています。
しかし、甘味料が長期的な減量または維持に効果的かどうか、明確な結論はまだ出ていないとしています

つまり、甘味料に健康上へのプラスの影響があるかどうかは、まだ解明されていない状態です。

参考:食品安全関係情報詳細,(参照2025-09-26)

腸内環境への影響

甘味料の一部には腸内細菌のバランスを乱す可能性があると指摘されています。
ステビアは植物由来ですが、似たようなメカニズムで腸内環境に影響を与えるリスクが全くゼロとは言い切れません。

過度の摂取によっては、腸内フローラ(腸内細菌叢)の多様性や消化機能に影響を及ぼす可能性もあります。

便通の変化や腹部の不快感を覚えることがある場合は、使用量を減らすか医師に相談してみるとよいでしょう。

現状では具体的な悪影響を示すデータは限られていますが、体調管理のためにも、腸内環境の変化には注意を払うことをおすすめします。

参考:人工甘味料と糖代謝|農畜産業振興機構,(参照2025-09-26)
参考:人工甘味料と健康.pdf,(参照2025-09-26)

キク科アレルギーの心配

日本の研究でも、ステビアは生体にとって問題となる変異原性は特に示唆されていません。

しかし、ステビアはキク科の植物に分類されており、キク科の植物にはアレルギー反応を引き起こす可能性があるものも含まれます
たとえば、カモミールやエキナセアなどのキク科ハーブ類で、アレルギー症状が出る方も。

そのため、アレルギー体質の方は摂取の際に注意が必要です

食品添加物のステビアの食品表示のルール

日本では、ステビアを食品添加物として使う場合、「ステビア」と品名だけを表示するケースや、「甘味料(ステビア)」のように用途名を添えて表示するケースがあります。
いずれの場合も、消費者が添加物の使用状況をきちんと確認できるようにすることが大切です。

また、製造過程で他の甘味料や成分と一緒に使われている場合は、それらも含めて正確に表示することが基本ルールとなっています。

食品表示の詳細については、以下の記事でわかりやすく紹介されています。

食品添加物のステビアに関するよくある質問

適切性や使用上の注意など、ステビアにまつわる疑問にお答えします。

ステビアは添加物として注意すべきですか?

現時点で、ステビアの主成分であるステビオール配糖体は各国の食品当局やFAO/WHOなどの専門機関によって、適切性が認められています。
ただし、過剰摂取や過度の依存は推奨されません。
常用する場合は、表示されている使用の目安を守ることが重要です。

ステビアはなぜ禁止されているのですか?

過去にステビアがアメリカで禁止または規制された背景には、適切性を裏付ける研究データの不足がありました。
その後、追加の研究が進み、ステビオール配糖体については高い純度であれば適切性に問題がないと認められました。

現在は日本を含む多くの国で使用が認可されています。

甘味料のステビアは体によいですか?

甘味料としては、低カロリー・低糖質である点が利点です。
血糖値への影響も限定的と言えるでしょう。

ただし、適量であればメリットを得やすいですが、過剰摂取や偏った使い方は避けてください。  

食品添加物のステビアは少量で甘さを加えられる

ステビアは砂糖の数百倍の甘味度によって、極めて少量の使用でも十分な甘味を実現できる食品添加物です。
そのため、糖質やカロリーを抑えながら甘さを楽しめるため、多くの人々に受け入れられています。

適切性が国際的にも認められ、食品表示ルールが整備されたため、日常生活に取り入れやすくなった点もステビアの魅力の一つです。
カロリーを抑えたい意識が高まる中で、砂糖を完全にやめることなく、賢く置き換える方法として選択されています。

ただし、メリットばかりではなく、デメリットも。
リスクも正しく理解し、上手に利用してこそ、その恩恵を最大限に活かせる甘味料です。

甘さと健康のバランスを考えたい方は、ステビア含めどのような甘味料があるか把握し、そもそも食品添加物を使っていない食材なども検討してみてはいかがでしょうか。
アイチョイスでは、食品添加物に頼らない商品をはじめ、原材料にこだわった食品を取り扱っています。
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