有機の学校ORGANICSMILEの卒業生・尾里さんに聞いてみた!
令和7年8月10日からの大雨により、熊本県内各所で甚大な被害が発生しました。
被害を受けられた熊本県の皆さまに、心よりお見舞い申し上げます。
2024年11月、編集部は3期目を迎えた有機の学校を取材してきました!
「有機栽培の生産者を増やす」ことを目的にスタートしたこの学校。
卒業生の中には、すでにアイチョイスへの出荷を始めている方もいると聞き、今回は有機の学校とその卒業生のもとを訪ねてきました。
現場の空気を感じながら、授業の様子や卒業生の活躍をレポートします!
目次
有機の学校 ORGANIC SMILEとは?

「有機の学校 ORGANIC SMILE」があるのは、熊本県上益城郡山都町(かみましきぐんやまとちょう)。
有機JASの認証登録農家が日本一多い町です。
ここでは、農薬を使わずに高品質・多収穫を実現する「BLOF理論」を中心とした座学や、畑での農業技術の実践を年間120時間(毎月2日間)じっくりと学びます。
また、農家として独り立ちするためには農業経営知識も重要。
その点、山都町には有機栽培農家がたくさんいるので、先輩から知識を吸収することができるのです。
他にも、有機の学校 ORGANIC SMILEが住居をあっせんしたり、生協が関わって卒業生の野菜の販路を確保したりと、手厚いサポートが受けられます。
参考:有機の学校ORGANIC SMILE,(参照2025-09-19)
有機の学校に行ってみた!
有機の学校の授業に参加してみた!

有機の学校は毎月第3週の土曜と日曜に授業を開催しています。
カリキュラムはBLOF理論を基礎として考えられたもので、農業について広く、深く学ぶことができます。
編集部がお邪魔した日は「土壌医検定3級」という資格を取得するための講義が行われていました。
「土壌医検定」を初めて聞いた!という人も多いかもしれませんね。
土壌医検定とは、土づくりの知識や技術を持つ「土の専門家」を育成すること目的に設立された資格。
医師が患者を診断して処方箋を出すように、土の成分を診断して必要な肥料などのアドバイスを行う、いわば「土のお医者さん」です。
この日は土壌医の卵のみなさんが、真剣な表情で講師のお話を聞いていましたよ。
先輩農家さんのお話を聞く

新しい知識を学び始めると、「他の人はどうしているんだろう?」と気になりますよね。
2つ目の授業では、BLOF理論インストラクターであり岡山県で農園を営む先輩農家さんの講義が行われました。
この日のテーマは、作物ごとの栽培対応と、学んだ知識を実際の農業経営にどう活かすか。
生徒たちは真剣に聞き入り、取材に同行した編集部メンバーも思わず「家庭菜園で試してみたい!」とメモを取り始めるほど。
経験に裏打ちされたリアルな知識が、画面越しでもしっかり伝わってくる講義でした。
有機の学校卒業生!尾里さんの農園に行ってみた
尾里さん
有機の学校第2期卒業生。
入学前からすでに農家として活躍していて、当時はチンゲンサイなどを中心に栽培していました。
現在は有機生姜を栽培し、アイチョイスに出荷しています!
有機の学校を卒業後、有機農業者として活動されている方がいると聞き、編集部は熊本県球磨郡に向かいました!
卒業生の尾里さんが営む尾里農園は、大平渓谷の近くにあり、その清らかな水を活かした野菜づくりを行っています。
尾里さんが有機の学校に参加していたのは、2023年度のこと。
第2期生として卒業後、すぐにアイチョイスへ生姜の出荷をスタートしました。
農園では、尾里さんを中心に、奥様と娘さん夫婦が力を合わせて有機栽培に取り組んでいるそうですよ!
有機の学校受講のきっかけ

もともとは慣行栽培でチンゲンサイを栽培していたという尾里さん。
食の安全性への関心と、他の生産者の生産する農産物と差別化をはかりたいとの思いから、志を同じくする生産者仲間と一緒に有機栽培に挑戦することを決めました。
15年ほど独学で有機栽培に取り組んでいましたが、ある日、有機の学校の講師である田中誠先生(※)のブログに出会います。
「こんなにおもしろいものがあるのか!」
ブログを読んでBLOF理論と有機の学校について知り、受講を決意したそうです。
※田中誠先生・・・ORGANIC SMILE副理事長。一般社団法人 日本有機農業普及協会公認BLOFインストラクター。
土づくりにとことんこだわる!

尾里さんが栽培の中でとくにこだわっているのは、土づくり。
土壌分析を行い、アミノ酸肥料を主体とした土づくりを実践しています。
尾里さんによると、土づくりで最も大変なことは、天候など予測不可能な要因によって計画通りに作業を進められない場合があること。
たとえば、時間をかけて培養した土壌改良用の菌も、散布予定日に雨が降ってしまうと使用できず、やむを得ず廃棄することもあるそうです。
そうした苦労を重ねながら、手間暇を惜しまず育てられた尾里さんの有機生姜。
組合員さんからも「香りが良い」「皮ごと使える」とうれしいクチコミが続々と届いています。
尾里さんに聞いてみた!

有機の学校に通ってから変わったこと

劇的に大きく変わったと感じたのは、育てているにんじんの畑の土を見たときです。
以前よりふかふかした状態で、作物も簡単に収穫できるようになりました。
にんじん畑では、近隣の子どもたち向けに収穫体験を開催しているんですが、以前は土が固いので、抜くのが大変だったんです。
次回はきっと、子どもたちでも簡単に収穫できるんじゃないかなと、楽しみに思っています。

有機の学校で一番印象に残っていること

有機の学校で一番印象に残っていることは何ですか?
独学で有機栽培をしていたころは、「これをやったから良かったみたいだ」と予測することしかできませんでした。
BLOF理論では、化学式で土の状態を表現し、理論に基づいて説明されるので、勉強していてとても納得感がありましたね。

組合員さんへのメッセージ

組合員さんへのメッセージをお願いします。
夏の猛暑に耐えながら、がんばって良い農産物をつくっています。
ぜひご賞味ください!

アイチョイスは有機栽培生産者を応援し続けます。

「いつもあんしんで美味しい有機野菜を食べたい!」
そんな組合員のみなさんの声に応えるため、アイチョイスでは、有機の学校 ORGANIC SMILEの活動を応援しています。
そしてついに、有機の学校の卒業生が育てた農産物の取り扱いがアイチョイスで始まりました。
一歩ずつ、目標に向かって前進していることを実感しています。
これからもみっくすなっつ編集部は、有機の学校の取り組みを取材し、その様子を紹介していきます。
この記事を読んでくださったみなさまも、ぜひ有機の学校 ORGANIC SMILEを応援してくださいね!
編集担当ちえまる
2023年にアイチョイスに入協、20代、1人暮らし。
アイチョイスには食べたことのないものや知らない食べ物がたくさんあって、わくわく。
ズボラながら普段は自炊をがんばっています。今はレパートリーを増やそうと奮闘中。
ミックスナッツはパンプキンシードが入っているものが好き。







有機の学校に通って、変わったことはありますか?