投稿日2025.1.31
食品添加物の防カビ剤の危険性とは?
食品を長持ちさせるために使われる「防カビ剤」。
みかんやレモンなど普段口にする柑橘類に多く含まれていますが、健康への影響が気になる人も多いのでは?
防カビ剤の使用方法、人体にどのような影響があるのかなど、基礎から防カビ剤を避けるための方法まで、幅広く解説します。
目次
食品添加物の防カビ剤とは?農薬ではないの?

海外で生産された柑橘類やバナナなどは、日本への輸送貯蔵中にカビが発生する場合があります。
カビ発生を防ぐために、収穫後(ポストハーベスト)に使用される防カビ剤が日本では食品添加物として認可。
日本では食品衛生法によって収穫後の農薬処理が認められていないため、収穫後に使用されるものは「食品添加物」として規制されているのです。
以下では、防カビ剤の用途や防ばい剤などの違いについて解説します。
防カビ剤の使用用途

防カビ剤は、主に果物や野菜などの輸送時や保存中にカビが生えないようにするために使用します。
みかんやバナナ、グレープフルーツなどの果物では、輸送中の湿気や温度変化によってカビが発生しやすい状況に。
防カビ剤でカビの発生を防止することがあります。
とくに海外からの輸入果物は長時間保存されるため、防カビ剤の使用頻度が高いのが特徴です。
防カビ剤と防ばい剤と防腐剤の違い

防カビ剤・防ばい剤と防腐剤は似ていますが、それぞれ役割が異なります。
- 防カビ剤: 表面で発育するカビを抑制
- 防ばい剤:防カビ剤と同義(黴は音読みで「バイ」、訓読みで「かび」)
- 防腐剤:微生物の増殖を抑制することで、腐敗を防止
防カビ剤のOPPとはどんな食品添加物か

オルトフェニルフェノール(OPP)は、防カビ剤の中でもとくに輸入果物に使用されることの多い食品添加物。
広範囲の制菌作用をもち、とくに白カビによる被害を防止する効果に有効です。
オルトフェニルフェノール(OPP)の使用は柑橘類に限り認められており、表面に散布・塗布して使います。
果物の輸入量

日本では多くの果物が輸入され、2020年の報告によると国内需要のうち推計約63%が輸入品です。
とくにバナナやオレンジなどは主要な輸入果物で、年間数百トンにおよびます。
これらの果物が長い輸送期間を経て日本に届くため、製品の品質を担保するべく、防カビ剤の使用が重要視されているのです。
参考:果樹をめぐる情勢|農林水産省,(参照2025-01-31)
食品添加物の防カビ剤は人体に影響あるの?

食品衛生法では、防カビ剤の使用基準が厳格に定められています。
たとえば、チアベンダゾールは柑橘類1kgあたり10mgまで使用可能な防カビ剤です。
オルトフェニルフェノール(OPP)など一部の防カビ剤成分は、安全データシートに発がん性の疑いや皮膚・眼への影響の可能性が記載されていることも。
カビそのものが健康にリスクを及ぼす可能性があるため、適切な方法でカビの発生を防ぐ必要があります。
カビの発生が発がん性リスクにつながる場合もあるので注意が必要です。
しかし防カビ剤の使用だけでなく、保存環境の改善や流通経路の見直しなど、より安全にカビの発生を防止したうえで、食品を届ける工夫が重要だといえるでしょう。
また、家庭では適切な保存方法を選び、安全で健康的な食生活を実現したいですね。
引用:ナトリウム=1,1’‐ビフェニル‐2‐オラート|職場のあんぜんサイト,(参照2025-01-31)
食品添加物の防カビ剤の主な種類
防カビ剤にはさまざまな種類があり、それぞれ特定の用途や特徴をもっているのです。
代表的な防カビ剤について説明します。
イマザリル

イマザリルは、柑橘類(みかんを除く)やバナナの防カビ剤として広く使用。
その効果は強力で比較的水に溶けやすいのが特徴です。
洗浄や皮をむくことで残留量を減らせるでしょう。
オルトフェニルフェノール(OPP)・オルトフェニルフェノールナトリウム

オルトフェニルフェノール(OPP)は、柑橘類に限り使用が認められている代表的な防カビ剤の一つ。
カビ類に対して優れた制菌作用をもつのが特徴です。
柑橘類の表皮に散布したり塗布したりして使用されます。
チアベンダゾール(TBZ)

チアベンダゾール(TBZ)は、果物の他に動物用医薬品などにも使われる抗菌剤です。
とくに貯蔵中に発生するカビの抑制に有効です。
比較的水に溶けやすい特徴もあります。
柑橘類はワックスに混入、バナナは水溶液に浸漬または、収穫時にスプレーする方法で添加されるのが一般的です。
フルジオキソニル

フルジオキソニルは1996年に農薬として認可、2011年に食品添加物として認可された比較的新しいタイプの防カビ剤です。
みかんを除く柑橘類の他に、以下のように幅広い種類の食品で使用されます。
- 杏
- 黄桃
- キウイ
- ざくろ
- すもも
- 西洋梨
- ネクタリン
- びわ
- マルメロ
- 桃
- りんご
カビの成長を抑える能力が高く、農薬としても利用されているのです。
食品添加物の防カビ剤の落とし方
防カビ剤は果物や野菜の表面に使用されるため、家庭での調理や消費時にその影響を最小限にする工夫も重要です。
以下に、防カビ剤を落とすための具体的な方法をいくつか紹介します。
- 水でしっかり洗う

防カビ剤の多くは食品の表面に付着しているため、流水でよく洗うだけでも効果があります。
とくに果物や野菜を調理する前に念入りな洗浄を心がけましょう。
- 皮をむく

防カビ剤は主に果物や野菜の皮に散布されています。
柑橘類やバナナなど、皮をむいて食べる果物では、皮を取り除くことで防カビ剤の摂取を避けられるでしょう。
- 重曹で洗う

重曹を薄めた水に果物や野菜を数分間浸けてから洗う方法も効果的です。
防カビ剤を中和することで、さらに洗浄力を高められます。
- 温水で洗うまたはゆでる

温水を使うと、防カビ剤の成分をより溶解させやすくなります。
とくにゆでる方法が、もっとも防カビ剤の除去率が高いと北海道消費者協会の研究で発表されています。
ジャムやケーキなど熱加工できる場合は、下ゆですると効果的です。
参考:防かび剤の除去、「ゆでる」が効果的 オレンジの皮でテスト|ニッポン消費者新聞,(参照2025-01-31)
食品添加物の防カビ剤に関するよくある質問

食品添加物の防カビ剤についてよくある質問をまとめました。
防カビ剤は食品に影響しますか?

防カビ剤の食品表示法は?
日本の食品表示法では、防カビ剤または防ばい剤が使用されている場合、その名称の表示が義務付けられています。
容器や包装に入れないで販売する場合でも、商品近くの見やすい場所に掲示が必要です。
容器包装されている輸入みかんやバナナには、「防カビ剤(OPP)」といった記載があります。

防カビ剤を添加する目的は?
防カビ剤の主な目的は、輸送や保存中の食品へのカビ発生の防止です。
とくに日本のように輸入食品が多い国では、長期間の保存に耐えるための手段として重要視されています。

食品の防カビ剤の落とし方は?
防カビ剤は水洗いでも一定の除去が可能です。
より防カビ剤を落としたい場合は、皮をむいたりゆでたりする方法が効果的。
また、重曹を使った洗浄もおすすめです。

食品添加物の防カビ剤を理解して安心して商品を選ぼう!

食品添加物である防カビ剤は、食品衛生法で厳格に使用基準が定められています。
しかし、一部の防カビ剤では発がん性や皮膚のかゆみなどの症状の疑いがある成分が含まれており、摂取を避けたい人もいるのでは。
アイチョイスで取り扱っている農産物は防カビ剤不使用の商品のみ。
安心して購入いただくことができます。
その他の農産物も農薬に頼らない栽培方法で生産されたものばかりです。
まずはおためしボックスでお試ししてみませんか。
防カビ剤は食品表面に使用される添加物で、食品衛生法により適切な基準で使用されているため、直接食品の内部や人体への影響はほぼないとされています。