投稿日2025.5.16
食品添加物のグリシンとは?体に悪いのか、使用目的や含まれる食品を解説
「グリシン」はわたしたちの身近な食品に多く含まれている食品添加物です。
ハムやソーセージ、冷凍食品など日常的に口にする加工品に多く使用されています。
普段何気なく手に取っているものにも「グリシン」が潜んでいるのです。
食品添加物のグリシンについて、役割や影響についてわかりやすく解説し、食品選びのヒントをお伝えします。
目次
食品添加物のグリシンとは

「グリシン」は使用目的によって表示名が変わる食品添加物です。
たとえば、食品の味を調整する目的でつかわれる場合は、「調味料(アミノ酸)」との表示に。
この「調味料(アミノ酸)」には化学調味料として知られるグルタミン酸ナトリウムやイノシン酸ナトリウムなども含まれており、旨みを強調するために使われています。
一方、保存性を高めたり、抗菌や酸化防止のために使用される場合は、「グリシン」と個別に記載。
日持ちを良くしたり、食品の品質を保つために使われるため、ハムやソーセージ、冷凍食品、レトルト食品などに多く含まれています。
※「化学調味料」は「調味料(アミノ酸等)」を端的に伝える用語として使用しています。
食品添加物のグリシンは体に悪いのか?

グリシンは食品添加物として一般的な使用において、安全性に特段問題は見られないとして食品安全委員会が発表しています。
もちろん、どんな食品添加物でも過剰摂取は避けなければいけません。
適量を守り、バランスのよい食事を心がけることで、安心して取り入れられるといえるでしょう。
参照:対象外物質※ 評価書グリシン|食品安全委員会肥料・飼料等専門調査会,(参照2025-05-16)
食品添加物のグリシンの使用目的

食品添加物のグリシンは、主に抗菌・防腐作用により日持ちを向上させたり、苦味やえぐみなどを緩和して食べやすさをサポートしたりする目的で使用されます。
他にも、
- 抗菌作用
- てい味性
- 緩衝作用
- 酸化防止
などの用途でも使用されるケースも。
以下ではそれぞれの使用目的について解説します。
抗菌・防腐作用

グリシンには枯草菌や大腸菌などの繁殖をある程度抑える力があり、抗菌作用を目的に使われるケースもあります。
総菜や冷凍食品、レトルト商品などでは、グリシンと他の保存料を併用することで雑菌の増殖リスクを下げ、より安全な食品の提供が可能に。
ただし、すべての菌に強い効果があるわけではないため、実際には加熱処理やパッケージ技術との組み合わせで使われることがほとんどです。
てい味性

てい味性とは食品が持つ味や風味をよくする成分で、食品の品質を上げるために重要な役割を果たします。
食品添加物のグリシンは旨味に加えて、甘味度が砂糖の70%のまろやかな甘味もあるため、食品の塩味や酸味を緩和してくれる働きがあるのです。
緩衝作用

グリシンの緩衝作用はpHを安定させる力があるため、酸味や塩味が極端に尖ることを防ぎ、ほどよい味わいを保つことが可能。
加工食品や冷凍食品、レトルト食品など、さまざまな場面で利用されています。
酸化防止

食品添加物のグリシンは、品質を安定させたり、味わいを整えたりする目的でも使われています。
酸化を抑えて日持ちを向上させたり、苦味やえぐみなどを緩和して食べやすさをサポートすることも可能です。
食品添加物のグリシンが含まれる主な食品

食品添加物用のグリシンは、以下のようなさまざまな加工品に幅広く使われています。
- ハムやソーセージなどの加工肉食品
- かまぼこなどの水産練り製品
- 調理済み冷凍食品
- タレ・ソース
- お菓子・清涼飲料水
グリシンが含まれる主な食品としては、肉加工品やレトルト食品、冷凍食品、菓子など。
コンビニのお弁当や惣菜コーナーの食品表示でもよく表記されています。
食品添加物のグリシンの食品表示

食品添加物のグリシンの食品表示は、以下の場合で変わります。
- 調味目的以外で使用する場合: グリシン
- 調味目的で使用する場合: 調味料(アミノ酸)
グリシンを調味目的で使う場合は「調味料(アミノ酸)」とまとめて表示され、保存や酸化防止を主目的とする場合は「グリシン」と個別に表記されるケースがほとんど。
これは消費者が添加物の種類と目的をより明確に把握できるよう、法律で定められたルールに沿った表示にする必要があるからです。
食品添加物のグリシンに関するよくある質問

グリシンの原材料は何ですか?

グリシンは人体にどのような影響がありますか?
適量の範囲であれば、健康を害するリスクは極めて低いと考えられています。
ただし、どんな成分でも過剰に摂取すれば体調を崩す可能性がありますので、食事全体のバランスを考えることが大切です。

グリシンの表示方法は?
グリシンの表示方法は、主に「調味料(アミノ酸)」または「グリシン」として記載されます。
調味目的の場合はほかのアミノ酸とまとめて「アミノ酸等」と表記されることが多く、酸化防止や抗菌作用を目的とする際は単独で「グリシン」と明示されるケースが一般的です。

食品添加物のグリシンを知って食事をもっと豊かにしよう!

グリシンは味の調整や保存性の向上に役立ちます。
食品添加物だからといって「体に悪い」と決めつける必要はありませんが、過剰摂取を避け、素材本来の旨味を活かす工夫も大切です。
グリシンの特性を理解しながら、安心して楽しい食生活を送りましょう。
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グリシンの原材料はグリシンナトリウムで、非必須アミノ酸というアミノ酸の一種です。
人の体でも合成される物質ですが、食品添加物としても製造されています。