有機ミニトマトに挑戦中の坂本農園に行ってみた!

食卓やお弁当をかわいく彩ってくれるミニトマト。
手軽に食べられる反面、生食が多いため農薬が気になる・・・という方もいるのでは。

熊本県玉名市にある坂本農園では、農薬不使用でミニトマトの栽培を行っています。
次なる目標は、有機JAS認証の取得!

あんしんへの取り組みや、ミニトマトに込められた思いについて取材してきました!

坂本農園とは

熊本県玉名市横島町にある坂本農園。
大玉トマトを栽培していたおじい様の代から、なんとトマト一筋50年!
「もっと喜ばれるトマトはなんだろう?」と考えながら、あんしんでおいしいトマトの栽培を続けています。

栽培面積はおよそ1haで、テニスコート約38面分の広さ!
「トマトベリー」と「フラガール」の2種類のミニトマトを栽培しており、アイチョイスでは、2025年度農薬不使用の「トマトベリー」を取り扱っています。

坂本さん

とても丁寧にトマト栽培について教えてくれた坂本さん。
無茶ぶりにも笑顔で答えていただき、終始笑いの絶えないインタビューでした。

休日はお庭の手入れに勤しんでいるそう。
きれいに管理された芝は圧巻!

ハート型がかわいい「トマトベリー」

かわいらしいハート型で、贈り物にも最適な「トマトベリー」。
酸味よりも甘みが強く、トマト嫌いのお子さまにも食べやすい品種です。

坂本農園での栽培は今年で12年目。
当初は200本程度だった栽培本数は、今ではなんと約18,000本もあるのだとか!

アイチョイスで取り扱っている「トマトベリー」は、甘みが強く「トマトが苦手な家族もお気に入り!」と好評です◎

なかなか出回らない「フラガール」の特徴

「フラガール」は、アイコのようなプラム型のミニトマト。
とても甘みの強い品種で、栽培方法に左右されにくいおいしさがキープできるのが特徴です。

その反面、病気に弱く収量が少ないとのことで、栽培の難易度自体は高めだそう。
坂本農園での栽培は2年目ですが、「トマトベリー」よりも管理が難しく、苦戦中のようです。

難しいものにあえて挑戦するのはなぜ?とお聞きしたところ、「単純においしいから」とのこと。
いつも食べる人のことを考えて栽培に取り組んでいる、坂本さんらしいご回答でした!

坂本農園に行ってみた!

坂本農園のミニトマトは、すべてハウス栽培。
9月から10月にかけて定植を行い、11月上旬には収穫が始まります。
定植のタイミングをずらすことで、長期間にわたって収穫を行うことが可能に。

取材した2024年は、猛暑の影響で通常よりも若干遅れて収穫をスタートしたそう。
ミニトマトは夏野菜というイメージが強いですが、実はとっても暑さに弱い野菜。
日中は23~28℃程度、夜間は10~15℃程度が適正温度です。

ハウス内の温度が生育に直結するため、広いハウスすべてを的確に管理しなければいけません。
ほかにも、葉や茎の付け根から出てくる「わき芽」を摘みとったり、枝が上に伸びすぎないよう収穫後に倒して整えたり・・・。

わたしたちが通年おいしいミニトマトを食べられるのは、こうした管理の積み重ねのおかげなのです。

坂本さんが有機JASの認証取得を試みたのは2021年。
アイチョイスの農産担当者の働きかけによりスタートしました。

翌年にはネオニコチノイド系農薬不使用を達成し、2024年現在は40a分のトマトベリーの有機転換に挑戦中!

虫の被害は避けられないため、苦労は絶えないと語る坂本さん。
それでも食べる人の健康を願い、より安全なミニトマトを栽培するために日々尽力しています。

ネオニコチノイド系農薬不使用の取り組み

ネオニコチノイド系農薬とは、タバコに含まれる「ニコチン」に似た化学構造を持ち、毒性を弱めて作られた農薬のこと。

その浸透移行性、残効性の高さから、生態系に影響を与えたり、低濃度でもヒトの脳や神経の発達に悪影響を及ぼす可能性が懸念されています。

一方で、その殺虫効果の高さゆえに、広く使用されていることも事実。
比較的新しいタイプの農薬であるため、従来の主流であった有機塩素系・有機リン系などの農薬に抵抗性を持つ害虫にも効果を発揮します。

そのため、ネオニコチノイド系農薬不使用での栽培は、決して安易ではありません。
にもかかわらず坂本農園では、2022年度に節減(ネオニコチノイド系農薬不使用)、2024年度に農薬不使用栽培を達成。

さらなる安全性を追求し、有機栽培に挑戦中です!

どうやって虫の対策をしているの?

ネオニコ不使用に挑戦し始めた2021年、坂本さんを悩ませたのが「コナジラミ」という虫。

コナジラミが発生すると、ミニトマトの葉や実にカビが生じ病気になったり、最悪の場合、樹が枯れたりすることも。
どうしても被害が収束せず、その年は試みを断念せざるを得なかったそうです。

しかし坂本さんの強い意志は揺るぎません、翌年には再度挑戦!
有機JAS認証を受けた農薬を使用し、虫の活動量を確認しながら散布回数を調整。
ときには手で捕まえて駆除をすることもあったんだとか。

散布回数を増やせば、その分手間も時間もかかります。
それでも、「ネオニコチノイド系農薬を使いたい」という気持ちはまったくなかったという坂本さん。

それは、食べる人のあんしん、安全を心から考えているからこそ。
おいしくいただくことで、感謝の気持ちを伝えていきたいですね。

坂本さんに聞いてみた!

おいしさを引き出す工夫

もえぞー

おいしさを引き出すためにどのような工夫を行っていますか?

とにかく肥料切れを起こさないように管理。
水も肥料もしっかり与えて元気に育てることで、トマト本来のおいしさが引き出されると思っています。

坂本さん

新たに挑戦したいこと

もえぞー

有機JAS認証のほかに挑戦したいことはありますか?

トマトベリーの栽培規模を広げたいですね。
ありがたいことに、収量が足りず新規のお取引をお断りしている状態なんです。

坂本さん

おすすめの食べ方

もえぞー

おすすめの食べ方を教えてください。

やはり生食がおいしいです。
トマトベリーは、鶏もも肉・にんにくと一緒に炒め、最後にとろけるチーズを乗せるのもおすすめです。

坂本さん

組合員さんへのメッセージ

もえぞー

組合員さんへのメッセージをお願いします。

有機JAS認証を取り、もっと健康でおいしいトマトをみなさんに食べてもらえるよう努力しています。
我が子のように大切に育てたトマト、ぜひ一度食べてみてください!

坂本さん

食べる人の笑顔を第一に

「水も肥料もたっぷりあげて、元気に育てたい」と語る坂本さん。
そんな思いに応えるかのように、坂本農園のミニトマトたちは元気いっぱいにすくすく育っているようでした。

有機JAS認証を取得することは、農家さんにとってとても負担の大きい取り組みです。
それでも「食べる人のため」と挑戦を続ける坂本さんには、本当に頭が上がりません。

わたしたちにできるのは、あんしん・安全な野菜をいただけることに感謝し、買い支えていくこと。
ハート型のトマトに込められた思いをしっかり受け取り、後世に残していきたいと思いました!

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編集担当あんにん

2025年アイチョイス入協。30代、二児の母。
毎日3食+おやつを欠かさない食いしん坊です。
新商品を見つけたらとりあえず食べてみる派!
ナッツはなんでも好きですが、食塩不使用のものを選ぶようにしています◎