クロスロードの取材記事のアイキャッチ画像

動物性原材料不使用でも美味しい!『オーガニック玄米クッキー』をつくる、クロスロードの挑戦と舞台裏

毎日のおやつこそ、安心安全なものを選びたいですよね。
子どもの成長にも欠かせないおやつですが、食品添加物や原材料の産地などが気になる方も多いのではないでしょうか。

今回は、添加物不使用・国産原材料使用・有機をコンセプトに、こだわり抜いたお菓子を作る、株式会社クロスロード(以下、クロスロード)を取材。

やさしい味わいの裏側にある、たゆまぬ工夫や努力、有機JAS認証取得の苦労など、お菓子づくりの舞台裏をお伝えします。

株式会社クロスロードの会社を説明する画像

クロスロードは、大阪府泉南市に社屋を構える、お菓子の製造販売会社。
社長の道窪さんは、有機食品を取り扱う専門商社やフェアトレード会社で長年の経験を持ち、「有機でしかできないものづくり」を目指して、2008年に46歳で会社を設立しました。

クロスロードでは、有機JAS認証を取得している『オーガニック玄米クッキー』をはじめ、余計な添加物を使用せず、国産や有機栽培の原材料で焼き菓子を製造しています。
さらに、卵やバターなどの動物性原材料や、小麦粉も使用せずに商品を開発するなど、素材選びや製法には徹底したこだわりが。

安心でおいしく、素朴で飽きのこない味わいの商品は、アイチョイスの組合員をはじめ、多くの方に愛されています。

社名の「クロスロード」には、「クロスロードを起点として、人と人が行き交う交差点のような存在になりたい」という想いが込められています。
有機という「道」を通じて、作り手・売り手・食べ手がつながる。
そんな想いを胸に、クロスロードは挑戦し続けています。

※『オーガニック玄米クッキー』には小麦・卵・乳成分を使用していません。ただし、製造工場ではこれらを含む製品も扱っています。 

クロスロードの『オーガニック玄米クッキー』とはどんな商品?

オーガニック玄米クッキーを袋から出す様子。ココア味とプレーン味。

『オーガニック玄米クッキー』は、小麦粉を使用せず、有機玄米粉で焼き上げたひと口サイズのクッキー。
ココア味とプレーン味があり、バターや卵などの動物性原材料も使用しておらず、アレルギーにも配慮しています。

原材料は有機であることにこだわり、アイチョイスで取り扱うお菓子の中でも、有機JAS認証を取得している希少な商品。
美味しさと安心を追求したこのクッキーは、ひと口かじると、口の中でほろほろとほどけ、フランス産のゲランドの塩をアクセントに玄米の香ばしい風味がいっぱいに広がります。
さらに、隠し味のココナッツクリームが、豊潤さをプラス。

試食したアイチョイススタッフからも、「バターや卵を使用していないなんて信じられない」と驚きの声がありました。

噛めば噛むほど甘みが広がる『オーガニック玄米クッキー』。
この美味しさの秘密に迫ります。

手仕事が支える『オーガニック玄米クッキー』の製造現場に行ってみた

『オーガニック玄米クッキー』は、そのほとんどが手作業で作られています。
製造は4~5名で行い、1ロット(24キロ)を、成形から袋詰めまで約2時間半で仕上げます
製品にして、390~400袋の量を一度で製造します。

その速さの鍵は、従業員の阿吽の呼吸と段取りの積み重ねにあります。
焼成トレーの位置の入れ替え、焼成時間の微調整、選別や袋詰めなど、機械では担えない勘と経験が、有機玄米クッキーの細部を支えています。

 

生地の仕込みから成形

混ぜ合わされた生地がボウルに入っている
丸め機で約5gずつに生地がカットされている

まずは、原材料をミキサーで混ぜ合わせ、生地を仕込みます。
一晩から二晩、冷蔵庫で寝かせることで、しっとりと落ち着いた生地に。
生地を再度ミキサーでほぐした後、丸め機に通して1粒4.5~5gずつにカットします。

 

手作業の整列と細かな調整で焼き上げ

カットされた生地を手作業で焼成プレートに並べる
オーブンでクッキーを焼き上げる

カットされた生地は、ひとつずつ手作業でセパレート紙に並べ、オーブンへ。
焼いている途中、オーブン内で位置の入れ替えを行い、火の通りを均一化して焼き上げます。
生地のやわらかさや、気候によって、焼き時間は微調整しているそう。

丁寧に袋詰めされ、私たちの手元へ

手作業で13粒ずつ袋詰めする

クッキーが焼きあがりました!
その後、十分に冷ましたクッキーは、ひと袋13粒ずつ手作業で袋詰め。
乾燥剤を封入し、賞味期限を印字して金属探知機を通し、完成です。

人の目と手が入ることで、確かな品質を維持しています。

求められるより上のおいしさを目指して誕生した『オーガニック玄米クッキー』

オーガニック玄米クッキーが木製プレートに並んでいる様子

オーガニック玄米クッキーの開発は、取引業者から「グルテンフリーで米粉のクッキーを作ってほしい」と相談を受けたことがきっかけだったといいます。
試作1号品を試食した依頼主は「おいしいので、こちらの商品で問題ありません。」と了承。
しかし、長年の経験から「もっと美味しい商品を作れるに違いない」と確信を持っていたのが道窪社長です。

原材料を再選定し、何度も試作を繰り返して、自分が納得できる食感とおいしさを追求。
こうして、オーガニック玄米クッキーの前身となる商品が誕生しました。

さらに改良を積み重ね、自社ブランドの『オーガニック玄米クッキー』の発売がスタート。
自分が本当に美味しいと思う商品を届けたいという、道窪社長の想いによって誕生した商品です。

バターや卵を使わず、美味しさを追求した末に辿りついた隠し味

バターや卵などの動物性原材料を使わず美味しいお菓子を作ることは、想像以上に難しいことです。
道窪社長によると、最も難しかったことは「おいしさと、生地のまとまりの両立」だそう。

バターや卵に代替する原材料の選定

通常、クッキーで使用されるバターや卵は、香りやコク、口溶け、つなぎの役割を果たしています。
これを植物性素材だけで再現するためには、代替する素材の組み合わせを探り、配合の微調整を繰り返す必要があります。
市販のクッキーなど、様々な商品の原材料表示や食感、香りの抜け方に至るまで、細かく研究を重ねたそうです。

そして、クロスロードがたどり着いたのは、有機ココナッツクリームと有機アガベシロップ(※)。
ココナッツ由来の豊潤な香りと脂質が味の厚みを支え、アガベシロップがほどよい甘さと、生地のまとまりを与えてくれています。
さらに、味に奥行を持たせるために、フランス産のゲランドの塩をアクセントとしました。

※アガベシロップとは、リュウゼツラン科のアガベ植物から採取される甘味料。主にメキシコで生産され、テキーラの原材料にもなります。数十年に1度だけ花を咲かす、とても希少な植物。

生産性を考慮した配合調整と、度重なる試作

有機玄米クッキーが焼かれる様子

バターと卵の代替となる原材料を選定した後にも、新たな課題が発生。
有機ココナッツクリームも有機アガベシロップも液体のため、入れ過ぎれば生地は「ベチャベチャ」になり、機械に通らず成形できません。
少なければ粉っぽく、舌に残ってしまいます。

「飽きずに食べられる複合的な味わい」と「成形しやすい生地の硬さ」を求めて、さらに幾度も試作を繰り返し、現在の配合にたどり着いたといいます。

道窪社長は、動物性原材料を使わないという「理屈」だけではなく、食べたときに「美味しい」と感じてもらえることを一番に考え、商品開発に取り組まれています。

クロスロードの道窪社長に、商品づくりの想いに迫る

代表取締役 道窪さん

有機の道ひとすじ40年。
有機専門商社などで実績を積まれ、2008年にクロスロードを設立。
原材料の確かな目利きとアイディアで数々の看板商品を開発。

「試作は課題をみつけるために行うもの」と考え、手間暇を惜しまず日々試作と改良を重ね、本当に美味しいと思う有機のお菓子を世の中に送り出しています。

添加物に頼らず、国産や有機栽培の原材料にこだわる製品づくりのきっかけ

小さな工房だからこそ、大量生産のような作り方はできません。
だからこそ、誰にも真似できないようなものを作りたいと思ったことがきっかけです。

また、過去の経験から、バターや卵などの動物性原材料を使わなくても、美味しいお菓子は作れるという自信もありました。
そこで、グルテンフリーや動物性原材料不使用、国産有機玄米など、素材や製法に徹底的にこだわることを決意しました。

「せっかく自分たちで作るなら、安心して食べられるものを届けたい」「有機でしかできないものづくりをしたい」という想いが、クロスロードの原点となっています。

道窪さん

オーガニック玄米クッキーが木製プレートの上で積みあがっている様子

有機JAS認証を取得する大変さや、取得の意義とは

有機JAS認証は取得するまでも大変ですが、取得してからも毎年継続して検査を受けて認証を受ける必要があります

有機加工品は完璧なトレーサビリティ(※)を求められるため、原材料の仕入れから、いつどのロットで何キロ使用し、どれだけ残ったかまで、7~8種類の台帳を使って細かく記録して管理することは大変ですね。

有機認証を取得する商品は、生産効率は正直なところ低下しますし、記録の手間も大きいです。
それでも有機JAS認証を維持することは、「信頼」という目に見えない価値があると思います。

有機JAS認証があることで、取引先や消費者の方から「きちんとした会社だ」と信頼を得ていると実感することも多いですね。

道窪さん

※トレーサビリティとは、製品や原材料の生産・加工・流通・販売などの過程を記録し、追跡できるようにする仕組みのこと。

今後の展望や目指す方向、未来へ向けて

オーガニックの世界で「あのクロスロード、素晴らしい商品を生み出した」と言われるような大ヒット商品を作りたいですね。

有機原材料は数や種類も限られるので、商品の味が似通ってきてしまうこともあります。
だからこそ、様々な原材料を組み合わせて、複合的な味を表現することが大切だと考えています。

「おいしい」と、価格含めて消費者の方に納得してもらえる商品を今後も開発していきたいと考えています。

道窪さん

組合員のみなさんへメッセージ

有機のお菓子は、まだまだ世の中に少ないからこそ、私たちが作る意味があると思っています。
限られた原材料での開発は大きな壁に当たることもありますが、苦労している分、胸を張って「おいしい」とお伝えできる商品ばかりです。

有機という道を通じて、作り手・売り手・食べ手がつながる。
クロスロードを交差点として、もっとたくさんの人に有機を広めていきます。

有機のお菓子を召し上がったことが無い方にも、ぜひ一度、手に取っていただけると嬉しいです。

道窪さん

小さな工房から生まれる、大きなやさしさ――『オーガニック玄米クッキー』に込めた想い

一粒のオーガニック玄米クッキーがほろりと砕けている様子

クロスロードの『オーガニック玄米クッキー』には、素材選びから製造工程、そして味への探求まで、たゆまぬ挑戦と誠実なこだわりが詰まっていました。

小さな工房だからこそできる丁寧な手仕事と、バターや卵を使わず、国産や有機栽培の原材料を選び抜き、手間暇を惜しまないものづくり。
その背景には、「安心して食べられるお菓子を届けたい」「有機でも本当においしいと感じてもらいたい」という強い想いがありました。

有機JAS認証の取得や維持には多くの苦労が伴いますが、それを乗り越えて生まれたお菓子は、食べる人の健康や安心、そして日々の小さな幸せにつながっています。
食の安心や健康志向が高まる今、こうした作り手の想いに触れながら、日々の食卓に「安心」と「おいしさ」を選ぶことの意味を、編集部もあらためて感じました。

また、日々のおやつ選びという視点では、成長期の子どもは一回の食事量が少ないと成長に必要な栄養が不足してしまいます。
そのため、おやつは「補食」として食事で不足するエネルギーを補充する重要な存在です。
お子さんのおやつ選びは、安心できるものを選べていますか?

いつものおやつに、身体にも地球にもやさしくおいしいもの「有機のお菓子」を取り入れてみませんか。

アバター画像

編集担当あっきー

2021年アイチョイス入協、30代、夫と2人暮らし。管理栄養士で栄養教諭。
前職では医療従事者向けに、栄養情報の提供や勉強会講師を勤めていました。実家は農家で、おいしいごはんを食べること、作ることが大好き!
アイチョイスの色々な商品を使った美味しい食べ方や栄養豆知識を発信していきます!
ナッツは芳醇な香りのヘーゼルナッツが好き。ビタミンEも多くておすすめ。