感動農業で人と人を繋ぐ。「野菜くらぶ」に行ってみた!
普段何気なく食べている野菜には、生産者さんの想いが詰まっています。
食べる人に元気になってもらえるような野菜を作りたい。
「株式会社野菜くらぶ(以下:野菜くらぶ)」は、そんな想いを持って野菜を作り全国へ届ける会社です。
今回は野菜くらぶの静岡支所に伺い、その歩みとこだわりを取材してきました!
目次
「野菜くらぶ」ってどんな会社?

野菜くらぶは群馬県に本社を構える農業法人です。
創業から約30年。
「感動農業 人づくり、土づくり」を理念に、独立支援や有機農業、加工・流通までを手がける一大グループです。
本社のある群馬県は、夏には冷涼な高原が広がり、冬には乾いた北風「からっ風」が吹く、農業に適した地域。
その恵まれた土地を出発点に、現在では青森県・静岡県・島根県など全国に産地を広げ、気候をリレーしながら野菜を安定供給しています。
会社概要

野菜くらぶの始まりは、群馬県の3名の農家が団体を作ったことがきっかけ。
同じ想いを持つ仲間が増えていき、現在では78名の生産者が在籍する団体に成長しました。
初期メンバーの子ども世代も多く加わり、年齢層は30〜50代が中心。
令和7年の全国平均が67歳であることと比べると、若い生産者が多いことが分かりますね。
全国の拠点との連携

野菜くらぶでは、現在全国で約40品目の野菜を栽培。
気候や農産物の旬に合わせて産地をバトンタッチしながら、年間を通して野菜を届けています。
たとえば青森県の高冷地では、夏でも涼しい気候を活かしてレタス・キャベツ・白菜などを栽培しています。
夏の猛暑で栽培が難しい群馬県を支える形で生産をリレーし、「適地適作」による安定供給体制を築いているのです。
品質管理の工夫

全国の生産者が同じ品質で野菜を出荷できるように、野菜くらぶでは独自の出荷基準を定めています。
また毎週水曜日には、生産者、気象専門家、小売・加工業者のメンバーで、現状の分析や改善策を共有。
天気の変化や現場でのトラブルなどの情報をリアルタイムで共有し、翌週の作業へ活かしています。
毎週欠かさずこの会を行い、繰り返すことで品質管理につながっているのですね。
野菜くらぶの「感動農業」とは?

野菜くらぶには「感動農業」という言葉があります。
「農業は、生産者だけが行うものではありません。
作る人、運ぶ人、販売する人、そして野菜を食べる消費者。
みんなが関わることで初めて成り立つ営みです。
その関係性すべてに『感動が生まれるような農業でありたい。』
そんな思いを込めた言葉が「感動農業」です。」と小林さんはおっしゃっていました。
「人づくり・土づくり」健全な土とは

野菜くらぶの土づくりにおける「健全な土」とは、化学肥料に極力頼らずに育てた土のこと。
健全な土づくりをすることで、質の高い野菜が育つという考えから、時間をかけて土を育てます。
また健全な土づくりのためには、健全な人づくりも不可欠。
農業に取り組む人々の生活や人生、その子ども世代に対しても、きちんと生活していける仕組みづくりが大事だと考えています。
そのため、新規就農を志す若者を対象にした、人材育成にも力を入れています。
野菜くらぶの「独立支援プログラム」

野菜くらぶが行う「独立支援プログラム」とは、農業に取り組む仲間を増やすという発想で始まった新規就農支援制度です。
2〜3年間、経営や土壌管理などの研修を行い、その後地域で独立できるようにサポート。
独立後も野菜くらぶが販売を担い、単に独立させて終わりではなく、その後も継続的に支援しています。
今回お話を伺った、静岡県でレタスを栽培する塚本さんもこのプログラムで独立した1人です!
静岡県菊川市の「野菜くらぶ」へ行ってみた!

静岡県菊川市は、冬レタスの栽培が盛んな地域。
穏やかな起伏が広がる土地で、畑は日当たりが良く、冬でもレタスがしっかり育ちます。
野菜くらぶ静岡支所が始まったのは、平成13年ごろ。
1年を通じてレタスを供給できる体制を目指し、秋~春の産地探しを開始しました。
九州や四国を調査後、静岡県菊川市を訪問。
菊川市は冬レタスの歴史ある産地であり、さらに温暖な気候と潮風が栽培に適していたことから、静岡県菊川市に決定したそうです。
その後静岡県では、独立支援プロジェクトを経て6名の生産者が独立。
6名で管理する農地は合わせて約180haで、レタスの生産量は本社のある群馬県と肩を並べるまでに成長しています。
真空冷却機

野菜くらぶでは、レタスを出荷する際に真空冷却機を使用しています。
真空冷却機とは、レタスを段ボールごと真空状態にして、一気に芯まで冷やす機械。
一度に2,000玉以上のレタスを冷却できます。
レタスを品質劣化させないために1番大切なのは、芯温を下げることだそう。
通常はマイナス20℃程度の強い冷気を当てれば芯まで冷却できますが、外側が凍ってしまうリスクがあります。
そこで真空冷却機を使うことで、短時間で芯温を下げることができ、さらに余分な水分が飛ぶことで品質劣化の抑制にもつながるのです。
出荷場は本社のある群馬県、静岡県、青森県にあり、各地でこの真空冷却機を用いて出荷しています。
新鮮な状態のレタスを食べてもらいたいという、野菜くらぶの想いが感じられますね。
エチレンガス吸収装置

出荷前のレタスが保管されるとても広い冷蔵庫の天井には、エチレンガス吸収装置が設置されています。
エチレンガスとは、植物が生成する気体の植物ホルモンで、野菜や果物の成熟・老化を促進するガス。
この装置は、レタスから発生するエチレンガスを吸収し、鮮度を保つ役割をしています。
エチレンガス吸収装置の効果により、冷蔵での長期保存も可能になるそうです。
ちなみにこの冷蔵庫部屋は、大型トラックが50台は停まりそうな大きさでしたが、1月2月の本シーズンに入ると、この部屋がレタスでいっぱいになるんだとか!
野菜くらぶのみなさんに聞いてみた!

塚本さん
静岡県菊川市でレタスを栽培。
野菜くらぶの「独立支援プロジェクト」で独立した生産者の一人です。
過去には、海外青年協力隊として2回海外で活動した経歴をお持ちなのだとか。

小林さん
野菜くらぶの取締役営業部長、販売課課長を務められています。
農業、そして人に対して熱い想いをお持ちの方です。
プライベートでは、ソフトボールの試合観戦が趣味なのだそう!
塚本さんが栽培しているレタスの品種


塚本さん
3品種を栽培する理由
3つの品種それぞれで、耐暑性や耐寒性、成長速度などが違うんですよね。
ディアマンテは、暑さには強いけど寒さに弱い。
サマーヘッドは、ディアマンテより暑さには弱いんだけど、ちょっと寒くなっても大きくなります。
サマーガイはディアマンテと同じく暑さには強いけど寒さに弱い。
短期間で収穫できる品種だけど、初期生育が悪いと小玉になりやすいという特徴があります。
こういった特徴をふまえて、この3品種を植えることで時期による不作などのリスクを分散させているんです。

塚本さん
レタスのおすすめの食べ方や保存方法について

水分が多くて葉も薄い夏レタスは、買ってすぐ食べる!
サラダで食べるのがおすすめです。
冬レタスは葉がしっかりしているので、熱を加える料理もおすすめです!
私は普段、チャーハンやしゃぶしゃぶなどにしてよく食べています。
加熱するときは、仕上げの余熱でレタスを加えるとシャキッとした食感が残っておいしいですよ!
新聞紙に包んでおけば1~2週間持つことも!

小林さん
今後の展望について
今後も考え方は大きく変わらず、より深く組合員さんとつながり、安心して食卓を囲める関係を築きたいと考えています。
また、人手不足が進む中、事務作業の機械化や効率化を進めて、もっと畑に集中できる体制を作っていけたらいいなと思っています。

小林さん
組合員さんへのメッセージ
「感動農業 人づくり、土づくり」という理念のもと、78名の仲間とともに、皆さんに健康になってほしいという想いで野菜を作っています。
ぜひたくさん食べて、皆さんの健康につなげていただけたらと思います!

小林さん
「作るだけ」で終わらない農業

普段何気なく食べていたレタス。
そこにはたくさんの人の想いと工夫が込められていることを、あらためて実感しました。
「作る人だけでなくて、それを運ぶ人がいて、食べてくれる人がいる。
そのすべてが農業だと思うんです。
こうして記事にして現実を伝えてくださるのも、素晴らしい農業の1つだと思います。
ありがとうございます!」
と笑顔でお話してくださる小林さんが印象的でした。
作るだけでなく、人と人を繋ぎ、食卓に笑顔を届ける野菜くらぶ。
食べる側として、その想いを忘れずに食べて応援したいですね。
編集担当なしを
2025年にアイチョイスに入協。
1日の楽しみは食事と食後のデザート。特に甘いものが大好きです。
休日はよくカフェを開拓しています。
ナッツは、チョコと相性が良いマカデミアナッツが好き。







3つの品種のレタスを栽培しています。
「ディアマンテ」、「サマーヘッド」、「サマーガイ」の3品種。
品種によって葉っぱの厚み、あるいは形、それから中の詰まり方、お尻といって切り口の大きさがそれぞれ違うんですよ。